キシマの映画日和

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映画「ダゲレオタイプの女」じんわり怖い恋愛ホラー!あらすじ、感想、考察、ネタバレあり。

 

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ダゲレオタイプの女  73/100

 

原題: La Femme de la plaque argentique 公開:2016年 上映時間:131分

 

 前々から気になっていたホラー映画です。タイトルがいいですよね。

 今年一番引き込まれたタイトル賞の金賞をあげたいです。

 

 黒沢清監督が、オール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげた初の海外作品です。フランス映画らしい、やたら長い間さえ克服できれば楽しめるホラー映画です。

 

 ラストはちょっともや~とします。 

 

 

あらすじ

 ダゲレオタイプで写真を撮影している、ひげ親ステファン。彼は名の知れた写真家で妻を亡くして以来娘マリーを撮影している。

 

そんなひげ親父ステファンののもとで働くことになったのは心優しい青年ジャン。

そつなく仕事をこなすジャンは、ステファンの娘マリーを好きになる。

 

長時間拘束器具に固定されるマリーは、植物園で働きたいと思い就活するが、父親が怖くて中々言い出せない。

 

そんな中、ひげ親父ステファンの妻ドゥニーズが屋敷で自殺していたことを知ったジャンは、母親のようにさせないために、マリーを外に連れていこうと試みる。 

 

金に執着しはじめる青年ジャン

ジャンはステファンの屋敷と土地に価値があると知り、ステファンに屋敷を捨てさせようとする。「田舎で写真を撮りましょう」なんてそそのかして。

 

しかしひげ親父ステファンは頑固で屋敷を売る気はない。それはこの屋敷で妻が自殺したからか。妻と娘を長時間拘束し撮影してきた屋敷だからか。

 

またマリーも撮影や屋敷から逃げたがる。

植物園での就職も決まった。

 

しかしここで恐怖と不幸な事故が起こってしまう!

 

幻覚が見えるステファン

ダゲレオタイプで撮影した人は永遠の命が得られると考えるひげ親父ステファン。

その彼の前に現れたのは自殺した妻だった。

ステファンはびくびくしながら妻に話しかけるが、妻は何も言わずに手を伸ばすだけ。

 

そのあと、ステファンの娘マリーが階段から落ちて意識を失ってしまう!

青年ジャンは急いでマリーを車に乗せ病院を目指す。

 

だがその途中で車がスピンしてしまう。

マリーは大丈夫かと後部座席を除覗くと、そこには誰もいなかった。

 

マリーは死んだのか

ジャンは必死にマリーを探す。するとひょっこりマリーが姿を現す。

階段から落ちた時の傷は消えて、家に帰りたいという。

ジャンは不信に思いながらも屋敷に戻る。

 

そこでジャンはピンときた。

ステファンはマリーが死んだと思っている。それを利用して屋敷を売らせてお金を手に入れようと。

 

ジャンは自分の部屋にマリーを隠し、ステファンに屋敷売買の書類を書いてと頼む。

妻と娘を失ったステファンはそれどころじゃないので、中々書類にサインをしない。

 

ジャンはマリーとの甘い時間を過ごしながらも、ステファンにイライラしはじめる・・・。

 

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ステファンが自殺!だがほんとうは・・・?

ジャンはステファンに「実はマリーは生きています」と真実を伝え、そのうえで書類にサインをしてもらおうと考える。

だがその時銃声が屋敷に響く。

 

ジャンがドアを開ければそこには拳銃自殺をしたステファンの死体があった。

動転しているジャンのもとにタイミング悪く土地開発業者の男がやってくる。

 

ステファンの死体を見た業者の男を、ジャンは「お前のせいだ」と攻めて、落ちていた銃で撃つ。

 

ジャンは屋敷から逃げようとマリーを連れて車を走らせた。

 

ラスト

ジャンはマリーと旅を楽しむ。このまま田舎に行って二人で住むつもりだ。

途中の教会でキスをして二人だけの結婚式を挙げた。

 

だが協会のスタッフが現れると、マリーは消えてしまう。

ジャンは車に戻り助手席に語り掛ける。

「これからどうする?」と。

 

しかし助手席にはだれも居ない。

ジャンは「そうか、そうか」と笑いながらまた車を走らせるのだった。

 

感想:ストーリーについて

あのね、「ダゲレオタイプの女」は意外と怖い映画ですよ!

 

ジャンがステファンの助手として撮影を手伝う序盤はつまらないですが。

所々不穏な雰囲気を醸し出すので、何か来るんじゃないかと心臓がドキドキします。

 

ひげ親父ステファンが妻の幻影を見て「うわああ!!!ひえええ」となるシーンは、

「この役者演技上手だなー」と冷静に鑑賞していました。

 

しかし!

 

娘マリーが階段から落ちてしまうシーンからラストまでは冷汗をかくくらい、ドキドキしていました!

全然画面に映らないマリー、やたらしゃべるジャン、妻の幻覚を見続けるステファン。

じんわりとした怖さがすべてのシーンに漂います。

違和感を感じるんです。

 

あれ?なにかおかしいぞ、と。

 

そこからのラストシーンです!

実はマリーは死んでいた、ジャンは妄想を見ていたんだと確信した時は背筋がゾワゾワしました。

 

勘のいい人は中盤で真相に気づくでしょう。

私も気づきました。でもラストは怖かった!

 

結末が予想通りでも怖いというのは、中々他の映画では味わえないでしょう。

 

考察:死の真相

 

さて、ジャンが妄想を見始めたのはいつからでしょう。なぜでしょう。

まともな青年だったジャンは、ステファンと共にダゲレオタイプの撮影をしていくうちに狂ってしまったのではないでしょうか。

 

ダゲレオタイプで撮影すると永遠の命が手に入るというステファンの考えが、伝染してしまったのだと思います。

 

そこでふと疑問が浮かびます。

マリーが階段から落ちたのはなぜか。

足を踏み外したせい? それとも誰かが突き落とした?

 

私は階段の件は事故だと思います。(なんとなく)

しかしジャンは意識のないマリーを車に乗せて病院へ向かいますが、その途中で池にマリーを捨てたのではないでしょうか。

 

警察が池を捜索するシーンがその後に出てきますし、ジャンは慌てた様子を見せます。

 

そこでまたまた疑問が浮かびます。

 

ステファンは本当に自殺なのか?

本作はジャンの視点で描かれています。彼が妄想を見ている以上、画面にうつるすべてが真実とは限らないのです。

 

はっきりとした真実は分かりませんが、ジャンがステファンを殺したと考えるのもアリなのではないでしょうか(^^)

 

感想:映画の雰囲気

 

 監督は黒沢清さんという日本人です。

 しかし全編フランス語。舞台もフランスです。

 

 そのせいかやたら間が長い!フランス映画、邦画らしさ全開です!

 家に入るだけでこんな長い間が必要なのか!?

 

 待つのが苦手で短気な私は終始時計を見ながら、映画を鑑賞していました。

 

 しかし音楽や雰囲気は好きです!血がドバドバ出たり、大音量で驚かすようなホラー映画ではなく、じんわり恐怖に追いやってくるタイプのホラー映画です。

 暗い部屋の隅からフェードインしてくるマリーが怖すぎて直視できませんでした…。

(ベクシンスキーの絵を見ているような感じ)

 

 じんわりした恐怖が好きな方におすすめの映画ですね!

 すべての謎が解明されないと嫌だ!という人には合わないかも・・・。

 

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拷問器具みたいで怖い・・・。 

 

今更だけど、ダゲレオタイプとは

 

ダゲレオタイプとは世界初の実用的写真撮影方法のことです。

銀メッキ加工された銅板上にヨウ化銀を塗布することで感光性をもたせ、水銀蒸気で現像します。

金属板の上に焼き付けられた精緻な像は「ダゲレオタイプ狂」という言葉ができるほど人々を熱狂させたとか。

 

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キャスト

監督:黒沢清

 

タハール・ラヒム - ジャン

コンスタンス・ルソー - マリー

オリヴィエ・グルメ - ステファン

 

マチュー・アマルリック - ヴァンサン

マリク・ジディ - トマ

ヴァレリ・シビラ - ドゥーニーズ

 

 最後に一言

 「ダゲレオタイプの女」は深夜一人で見ると面白いタイプのホラー映画です!

 期待していなかった分、楽しめました!

 

 

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